RSGT2024に初参加して感じたこと
RSGT2024に初参加しての気づきや、感じたことについて投稿する。
こんなにも多くの人がスクラムに向き合っている
会場のエスカレーターを登った先の盛り上がりを見て、こんなにもたくさんの人がスクラムについて学ぼう、語り合おうとしているんだ!という驚きがあった。 オフラインチケットの購入画面で1時間粘らなければならない理由がよくわかった。
物の見方の抽象度が一つ上がる感覚を得られる
普段の仕事の中ではどうしても「どうやったらもっと上手くできるだろうか?」とHowの部分を意識しがちになってしまう。しかし、この場に参加して登壇者のセッショントークを聴いていると、登壇者の取り組みや事例を自分達のチームで置き換えて考えようとする中で、「この取り組みの結果ありたい姿って何だろう?」とか「そもそも自分達はなんでこの取り組みをしていたんだっけ?」というようなWhatやWhyを意識した思考が自然と生まれる感覚があった。
「伝える」のが上手い人がいる
この場の参加者からはとてつもない熱量を感じ、互いの経験を伝え合い、学びを得ようという空気が満ちていた。 ただ、相手の話していることがいまいち分からないこともあった。 これはもちろんやっている取り組みや経験が複雑で自身の経験からは理解しにくいということもあるが、それだけではないと感じた。 「どう伝えると相手に伝わりやすいのか?」 この辺りを自分の中で言語化していく必要があるなと感じた。
RSGTは集まった人によって作られる
積極的な姿勢から生まれるお祭り感
誰かが一方的に情報を提供するだけの場ではなく、参加者自らが積極的に声を出し、対話を通して互いの経験から学びを深め合おうという姿勢がちょっとしたお祭り感を作り上げているように感じた。自身がOSTでホストをした際にも、私が画面共有ができずに困っていると参加者の一人がさっと代わりに画面共有してくれて、全員でこの時間を良いものにしようという雰囲気を感じた。
オンラインOSTの課題感
2日目から体調を崩してオンライン参加となってしまったのだが、OSTがオンラインでも参加できたのは本当にありがたかった。 オンラインとは思えないほど、参加者からトピックが出され、予定していた枠はほぼ全て埋まっていた。 ただし、やはりオンラインならではの課題も感じた。 課題だと感じたのは主に以下の点だ。
- ホスト視点
- 「参加している人」と「聴いているだけの人」の判別ができない
- 参加者の反応がわかりにくい
- 付箋を書いた人がこの場にいるのか、いないのか分からない
- 参加者視点
- 会話に割り込みにくい
- ホストに話を振られるまで待ってしまう
ホスト視点での課題に対しては、以下のようなアプローチをとって改善できそうだと感じた。
- discordの名前を「〜(Listen only)」などに変更し、聞き専であることを明示する
- 参加者は極力カメラオンにする
- 他の参加者の話を聴いて、感じたことなどはリアルタイムにdiscordのチャットに書く
- 付箋に名前を書く
- 退出するときはdiscordのチャットに一言書く
ただし、参加者視点の課題については、場づくりという意味でのホストの問いかけ力が試されそうだと感じた。
自身の内省につながる
この場に参加している様々な人と対話する中で、自然と自分の普段の振る舞いや考えていることを見つめ直すきっかけとなり、あまり意識していなかった自分について、新たな気づきが得られた。 自身の場合は、今回のRSGTの熱量に掻き立てられて初めて個人のブログを投稿し、いろんな人からリアクションをもらったことで、「自分のモチベーションの源泉は、様々な人と対話して共鳴することなんだ」と改めて認識することができた。
まとめ
何だかまとまりなく、感じたことを書き連ねてしまったが、RSGTに参加して本当によかったと感じている。 この場を作ってくれたスタッフの方々や参加者の皆さんには感謝しかない。 この場で感じた熱を自身の中で温めながら、少しずつ職場のチームや組織に伝えられるように頑張ろうと思う。
RSGT2024での学びと今後の野望
RSGT2024に参加して学んだことと今後の野望を投稿します。
学んだこと
スクラムのメリットは究極これ
- プロダクトのFBサイクルを早く回せること
- チームの振る舞いの改善サイクルを早く回せること
組織の健康状態はOSTで観測できる
- OSTをやっても盛り上がらないなら、それが今の組織の状態
なにかにつけて感想戦をしろ
- その場の空気感や情報の鮮度が高いホットなうちに感じたことを共有し合うことで、お互いの気づきを補完し合う
スクラムが目指しているのは付加価値生産性
- 物的生産性ではない
スクラムで観るべきは、「何ポイント終わったか?」ではなく「何ができたか?」
- スプリントレビューで動くモノをみせることで、「何ができていて、何ができていないか」をはっきりさせる。
ベロシティの変化そのものを検査するな、その変化が意味するチームの状態を検査しろ
- ベロシティの変化(上下)そのものを観て一喜一憂するな。
価値(Outcome)までの距離を小さくしろ
- 自分たちのプロダクトが生み出した価値が測定しにくい原因は、その価値が発現するまでの距離が長いこと
「困っていることはありません」は物事の見方を変えるチャンス
- 自分から観ると困っていることがたくさんありそうなのに、本人に聞くと「困っていることはありません」と返ってくる場合は、自分と相手とで観ている視点が違う可能性が高い。
- 問いかけの工夫(スコープの調整など)を利用して、相手の視点を変えてみることが有効。
今後の野望
チームで今後Tryしたいこと
FBループの意識を強化
- スプリントレビューにおいて、以下を意識して観察、検査する
- 何ができていて、何ができていないか?
- ベロシティの変化が意味するチームの状態は?
- なぜ増え続けているのか?
- なぜ減り続けているのか?
- なぜ安定してきているのか?
- なぜ安定しないのか?
- 何かに付けて感想戦してみる
- 主に打ち合わせ後
問いかけの工夫によって視点を変える手助けをする
- 1on1やふりかえりなどで積極的に問いかけをチャレンジしていく
Tryした結果としてのチームのありたい姿
- 毎スプリント、プロダクトとして「何ができていて、何ができていないか?」がはっきりしている状態
- また、その結果に対して、プロダクト及びチームの改善に向けて対話ができている状態
- チームのベロシティの変化から、その変化が意味するチームの状態に目を向けて、改善に向けた対話ができている状態
- 日々の打ち合わせや1on1などでの対話を通して、新たな気づきを得られている状態